そこで鉄道被災路線がある地域から選出された国会議員を中心に鉄道軌道整備法の改正が提案された。「黒字の鉄道事業者であっても赤字路線の復旧に国が支援できる」としたい。この議案が可決されて、JR東日本の只見線も国の支援対象になった。
只見線に関しては、福島県と沿線自治体が被災区間を保有する会社を作り、JR東日本が運行する「上下分離方式」でまとまった。JR東日本も復旧費用の3分の1を負担する。復旧後はJR東日本が線路保有会社に線路使用料を支払うけれども、赤字にならないよう減免される。
只見線は生活路線として存続するためには沿線住民の数が足りない。赤字負担を減らすためにも、企業または観光客の誘致が必要だ。渓谷沿いに走り、車窓の美しさに定評がある。沿線自治体とJR東日本の取り組みに期待したい。
- 次の「新幹線」はどこか 計画をまとめると“本命”が見えてきた?
西九州新幹線開業、北陸新幹線敦賀延伸の開業時期が近づいている。そこで今回は、新幹線基本計画路線の現在の動きをまとめてみた。新幹線の構想は各県にあるが、計画は「建設を開始すべき新幹線鉄道の路線を定める基本計画」として告示されている。これと費用便益比、各地のロビー活動の現状などから、今後を占ってみたい。
- 新幹線だけじゃない! JR東海の「在来線」はどうなってるのか
JR東海といえば「東海道新幹線を運行する会社」「リニア中央新幹線を建設する会社」というイメージが強い。報道も新幹線絡みが多い。しかしほかのJR旅客会社と同様に在来線も運行している。そして「新幹線ばかり優遇して、在来線の取り組みは弱い」という声もある。本当だろうか。
- 2025年の大阪・関西万博で、鉄道の路線図はどうなるのか
2025年に大阪、夢洲で「2025年大阪・関西万博」が開催される。政府は主要公共交通機関に大阪メトロ中央線を位置付けた。このほか会場へのアクセスには船とバス、さらに具体化していない鉄道ルートが3つ、近畿日本鉄道の構想もある。また会場内の交通には、3種類のモビリティが計画されている。
- 渋谷で「5000円乗り放題」を始めて、どんなことが分かってきたのか
長距離バスの運行などを手掛けているWILLERが「月5000円で乗り放題」のサブスクプランを打ち出したところ、利用者がじわじわ増えている。4カ月ほど運営してみて、どんなことが見えてきたのかというと……。
- 中央快速線E233系にトイレ設置、なんのために?
JR東日本の中央線快速で、トイレの使用が可能になることをご存じだろうか。「通勤電車にトイレ?」と思われた人もいるかもしれないが、なぜトイレを導入するのか。その背景に迫る。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.