再生可能エネルギーの主力の一つとして注目される太陽光発電だが、その性能についてはパネルが話題になることが多かった。ところがパネル以外の要素で発電効率を上げるマイクロインバーターという技術があり、特に北米では急速に普及が始まっている。
太陽光パネルが生み出す電力は直流で、これを電力系統に流すには交流に変換する必要がある。日本で主流なのがパワーコンディショナーを使って変換する方法だ。複数のパネルをつなぎ、まとめてパワーコンディショナーに接続して交流に変換する。ところが、複数パネルのうち一部のパネルに影がかかったり故障したりすると、全体のパネルの発電に影響が及ぶという欠点があった。
これを解決するのが、パネルモジュール1枚ごとに交流への変換を行うマイクロインバーターだ。パネルにトラブルがあっても、発電量の低下はそのパネルだけに限られる。また、パネルから直接系統に接続すればいいので、構成もシンプルだ。
各パネルにマイクロインバーターを取り付けることで、構成がシンプルになり、パネルごとに独立して発電ができるようになる(米エンフェーズのWebより)
このマイクロインバーターのトップ企業が、米国のエンフェーズだ。カリフォルニアで進んでいる屋根の上に太陽光パネルを設置するルーフソーラーでは、すでに25%がマイクロインバーターを使っており、普及が進んでいる。
20年のマイクロインバーターの出荷台数は683万台、売上高は7億7400万ドルにも達している。さらに、21年上期は売上高が約2倍と急成長している。
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