脱東芝の「レグザ」、国内トップシェア争いまでの復活劇家電メーカー進化論(3/9 ページ)

» 2022年01月18日 07時00分 公開

 そして、レグザブランドをさらなる高みに導いたのが、09年に発表した、超高性能のCellプロセッサを搭載した「CELLレグザ」だ。

 当時、まだほとんどなかった11チャンネルの地上デジタルチューナーと3テラバイトのハードディスクを内蔵し、1画面に多チャンネルを表示。さらに全チャンネルの同時録画もできた。また、いち早くフルLEDバックライトを搭載し、圧倒的な高画質と多機能を実現した。実売価格100万円という価格も話題を集めた。

09年発売の「CELLレグザ 55X1」。世界初「Cell Broadband Engine」を搭載し、地デジ8チャンネル、26時間分の同時連続録画に対応。また、液晶パネルには高輝度LEDバックライトを敷き詰めた「メガLEDパネル」を採用し、異次元の高画質を実現した

 「私は当時、販売会社にいましたが、テレビがレグザブランドに切り替わってからの勢いは、それ以前と比べ物になりませんでした。さらに100万円のCELLレグザを店頭に出すとお客様も感動してくれて、金額じゃないと言って買ってくれる方も多かったです。ブランディングは大成功でした」(笹川さん)

 そして00年代後半、東芝のレグザブランドの勢いは想定を超え、20%を超えるシェアを獲得。30%に迫る人気ブランドとなった。

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