さらハイセンスがテレビを主力にするメーカーだったため、映像に対する投資を惜しみなく行う点も大きく奏功した。それを象徴するのが、CES 2022で発表した新開発の映像プロセッサ・レグザエンジン「ZR α」だ。本村さんによると、この映像プロセッサの開発には3年以上の期間と数十億円のコストが掛かっているという。
「このエンジンの開発は、ハイセンスグループに入ってすぐに始まりました。通常ハードウェアエンジンは5、6年に1度作り直して、ファームウェアで進化させていくのですが、今回はものすごい投資をしていて、かつての東芝では無理だったろうと思います」(本村さん)
7年ぶりとなったCES 2022での展示。映像プロセッサ・レグザエンジン「ZR α」は独立したディープニューラルネットワークを活用したAIエンジンを内蔵し、「立体感復元超解像」や「AIフェイストーン再現技術」「AIネット動画高画質アルゴリズム」などの高画質化を実現しているしかし日本市場では、ハイセンス・ジャパンもテレビを販売している。国内シェアは5位で、存在は決して小さくない。グループ内競合やカニバリは発生していないのか。ハイセンス・ジャパンとの関係に関して、本村氏は「特に棲(す)み分けなども意識していない」と語る。
「執務場所も同じフロアなので、休み時間など従業員同士のプライベートは仲良くやっていますが、業務上では来年販売するラインアップなどはお互い知りませんし、『これを出すから、出さないで』というようなことはありません。そこは普通に競争しています」(本村さん)
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