「無人船」は実現するのか 横須賀で「船長なし」の小型船が出港したよ「実証実験」の結果(4/4 ページ)

» 2022年01月22日 08時00分 公開
[土肥義則ITmedia]
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今後の“航路”に注目

 最後に、無人船が増えると、どんな世の中になるのだろうか。「船で仕事をする人が減るじゃないか。どうするんだよ」と悲観的に思われた人もいるかもしれないが、悪いことばかりではない(と思う)。先ほど触れたように高齢化の問題が解決できるかもしれないし、事故も減るかもしれない。

離着岸自動操船システムモニター(左)と操船状況モニター(右)

 「船長」という肩書を失う人が出てくるかもしれないが、新たな仕事も生まれてくるはず。例えば、運航の知見×デジタル知識を有する人材が必要になってくるので、船員の働き場は「海」から「陸」になることも考えられるのだ。

 ロシアの小説家、イワン・ツルゲーネフはこのような名言を残している。「乗りかけた船には、ためらわずに乗ってしまえ」――。一度決めたことは、迷わず突き進むべしという意味になるが、乗りかけた無人船にも、ためらわずに乗ったほうがいいのか。今後の“航路”に注目である。

(写真提供:日本財団)

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