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金の買い取り業からマッサージ器で成功、型破りなドクターエアの経営とは?家電メーカー進化論(2/7 ページ)

» 2022年01月31日 07時00分 公開

リユース業から金・貴金属の買い取り業へ

 ドクターエアを運営するドリームファクトリーは、02年に大阪で設立された。代表である井上氏は、大手企業で営業を学んだあと、ゴルフ会員権を販売する会社の経営や輸入カーテン販売業など、20社以上でいろんな仕事を経験してきたという。ドリームファクトリーもそんな流れのなかで設立した会社だった。

 「元々は02年にリユース(中古品販売)の会社として立ち上げました。フランチャイズチェーンに加入したのですが経費ばかりがかさみ、うまくいかず半年で撤退しました。そのときの売り上げは金や貴金属、ブランド品が半分だったので、倉庫などを手放し、貴金属買い取りだけに仕事を絞った買い取り専門店『ゴールドプラザ』を立ち上げました」(井上氏)

 そこに追い風が吹く。00年代前半、ITバブルの崩壊や世界同時テロなどをきっかけに、40年ほど下落トレンドだった金相場が一転、上昇トレンドに入る。ゴールドプラザはタンスに眠る金、プラチナなどの貴金属を現金化する買い取りブームの波に乗った。

 「その頃の私の趣味がインターネットのSEO対策だったので、当時“金買い取り”“ヴィトン買い取り”といった語句での検索結果は、ゴールドプラザが1位を独占していました。また当時は今と比べて貴金属の買い取り店が少なかったので、テレビ取材なども集中し、2カ月で150番組ぐらいに出ていました」(井上氏)

 ゴールドプラザ設立から2カ月で、月の売り上げは3000万円を突破。大阪だけでなく、横浜、銀座にも出店し、積極的に業務を拡大していった。その間も金相場は高騰を続ける。11年の東日本大震災のあとにも金相場は再び高騰。2カ月で売り上げは40億円を突破した。

ドリームファクトリーのもう1つの事業である金・貴金属、ブランド品の買い取り販売「ゴールドプラザ」。現在、関東、関西に11店舗を展開する

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