「自動車業界100年に一度の大改革」と言われ、この先10年の市場規模が800兆円とも目される電気自動車(EV)開発。2021年末にはこれまでEV生産に消極的と見られていたトヨタが2030年にEVのみで年350万台を売る計画をぶち上げ、年明け早々にはラスベガスの家電IT見本市「CES」でソニーグループ(以下「ソニー」)がEV開発の本格事業化を宣言するに至りました。ここに来てEVの波が急速化し、さながら異種格闘技戦の様相を帯びてきています。
そもそもEV化の流れは、ここ1〜2年で急速に伸展した感が強くあります。それを後押した大きな要因の一つは、世界的なSDGs促進の流れにおけるカーボンニュートラルに向けた各国の宣言と、それを受けた世界の自動車メーカー大手のガソリン車廃止年限の設定やEV化比率目標の公表です。さらにコロナ禍における世界的ニューノーマルとしての非接触化が急速なIT化の進展を押し進め、次世代ITプラットフォームとしてのEVへの注目度をも高めることになったと言えます。
米ゼネラルモーターズ(GM)は21年1月に、35年までに全ての乗用車モデルをEV化すると宣言。続いて明らかにこれを意識するかのごとくベンツを擁する独ダイムラーが、それを追い越す30年までの全新車販売EV化を発表しました。国内ではホンダが、40年までに全新車のEV化方針を打ち出しています。
そしてこれらの動きに押されるようにようやく21年末近く、世界の自動車産業の頂点に位置するトヨタと独フォルクスワーゲン(VW)が重い腰を上げ、EVへの巨額の投資計画を相次いで発表。既存自動車業界は、21年、一斉に全面EV化に向け走り出したと言っていいでしょう。
大手自動車メーカー各社がEV化の動きを加速させた裏には、上述した流れと別にもう一つ、大きな理由がありそうです。それはEV専業メーカーの台頭です。
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