セブン銀行とスマートプラス(東京都千代田区)は2月8日、セブン銀行口座保有者向けに証券取引サービスを共同で提供することを発表した。預金と投資を一体化したサービスを実現するという。2022年度上半期中のサービス開始を目指す。
セブン銀行は「買い物や生活の延長に自然と資産形成や投資を位置づけ、誰でも気軽に投資を始め、無理なく継続できる、『あったらいいな』を超えるユニークな商品サービスの実現を目指す」としている。
スマートプラスはFinatextホールディングス子会社。事業者向けに証券サービスを行えるプラットフォームを開発、提供している。19年秋には、クレディセゾンにプラットフォームを提供。クレジットカードで株式が買える「セゾンポケット」を実現した。
証券システムは独自に開発すると約10億円かかるといわれる。共通プラットフォームを使うことで、コストは10〜20%に削減、開発期間も6カ月程度まで短縮できるという。
スマートプラスの証券サービスプラットフォームBaaS
昨今、ユーザー基盤を持つ企業が、既存サービスに組み込む形で証券や保険などの金融サービスを提供する「エンベデッド・ファイナンス」の流れが加速している。証券や保険サービスの基盤を提供するスマートプラスだけでなく、住信SBIネット銀行などは銀行基盤を異業種に提供する動きが盛んだ。
プラグイン金融の旗手 FinatextHDが上場
金融インフラをSaaSとして提供するFinatextホールディングス(HD)が12月22日、東証マザーズ市場に上場した。
「金融版AWS」を目指すBaaS コスト10分の1の証券プラットフォームで異業種参入加速か?
自前で作るのが当たり前だった金融システムに、水平分業の波が。スマートプラスは、証券システムをモジュール化し、プラットフォームとして提供する。BaaSと名付け、ユーザー基盤を持つ異業種が、容易に証券サービスに参入できる仕組みを提供する。
「誰でも保険会社」になれる 証券に続き保険もプラットフォームへ
証券は大手の証券会社が売り、保険は保険会社が売るーー。そんな形が崩れ始めるかもしれない。FintechベンチャーのFinatextホールディングスが次に「プラットフォーム化」を進めるのは保険だ。あいおいニッセイ同和損害保険との業務提携を行い、保険にも異業種が低コストで参入できる仕組みを作り上げる。
クレカで株式購入 セゾンが業界初
「ポイント運用」を業界に先駆けて提供したクレディセゾンが、クレジットカードを使って株式を購入できる「セゾンポケット」を開始する。133社の株式を、1株単位で購入可能だ。プラットフォームには、スマートプラスが提供する「BaaS」を使い、低コストでスピーディなサービス開始を可能にした。
手数料1%以下のラップ口座登場 「プラグイン金融」で資産運用の水平分業進む
Japan Asset Managemetは、スマートプラスの新サービス「Digital Wealth Manager」を使い、手数料1%以下の資産運用サービス「JAM Wrap」を提供する。証券システムのSaaS化によって、安価で簡単に金融サービスを提供する「プラグイン金融」の時代が到来しようとしている。
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