楽天証券のクレカ積立ポイント改定、「最初の目論見が外れた。ビジネスとしての正常化図る」金融ディスラプション(3/3 ページ)

» 2022年02月09日 13時25分 公開
[斎藤健二ITmedia]
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獲得から継続にシフト

 利益的には当初の想定通りにいかなかったが、新規顧客獲得の面ではクレカ積立が多大な貢献を果たした。口座数は714万口座と、業界トップのSBI証券801万口座に迫る。その内訳は、20代・30代の若年層が68%、女性が47%、初心者が77%と、従来開拓が難しいとされてきた、若年、女性、初心者の獲得に効果が現れている。

証券各社がなかなか開拓できなかった、若年、女性、初心者をうまく取り込んだ楽天証券。一方で、この顧客層の収益化には課題も残る

 今後は、「獲得だけに力を入れる段階から、続ける段階でも良好なリレーションシップを持ち続けることを狙う」(楠氏)と軸足を、既存顧客に移す。5月からは、家族の証券口座を登録することで特典を付与する「家族プログラム」も始める。

今後は継続につなげるプログラムに力を入れるとしている

 獲得から継続へのシフトを狙うが、ユーザーの評価は未知数だ。ポイント活用で大躍進してきた楽天証券が、大きな転機を迎えようとしている。

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