最大の特徴は、バックオフィス向けSaaSの多くをマネーフォワードクラウドシリーズに統一していることだろう。といっても、実は、最初のマネーフォワードクラウドシリーズの導入は「クラウド請求書」からだった。20年に入り、請求書発送件数も増え、対応しきれないということで導入を決めた。
「このときはマネーフォワードの他のツールを入れるつもりはなかった。しかし金額感も良く、シンプルで使いやすかったため、ほかも入れたら使いやすそうだと感じた」(平岡氏)ことが、シリーズの導入につながっていく。
上場直前の4月あたりから、基幹の会計ツールも刷新の検討に入った。この20年4月はコロナ禍における第1回の緊急事態宣言が出されたタイミングだ。「上場準備には、スタンドアローンの勘定奉行で問題なかった。しかし、会社に来なくてはいけない。勘定奉行に問題があったというよりも、より生産性を上げるにはどうしたらいいかを検討した」(平岡氏)
検討のポイントは、各サービスがシームレスに連携していること、またしっかりとしたサポートがあることだった。複数のサービスが連携して動作するクラウドERPの領域ではfreeeが強みを持つ。しかし、freeeの“まとまり感”が逆にネックになった。
「freeeはマネーフォワードほど各機能が分離していない。各機能の導入に当たっては、一気に変えるのは怖さがある。一つ一つ入れていきたい」(平岡氏)
経費精算、ワークフロー、続いて勤怠と入れていき、最後にクラウド会計を導入した。最初にグランドデザインを決めて、順々に導入していく形を取った。
SaaSの選び方としては、各ツールの連携や世界観の統一性を重視して同一シリーズで固める考え方と、ツールごとに必要な機能を洗い出し、価格や機能面で最適なものをピックアップして組み合わせる考え方がある。カラダノートでは、同一シリーズにまとめるメリットを採った。
「会計は経理しか使わないが、ほかのツールは全社員が使う。みんなの効率をどう向上させるかを全体最適の観点で設計した。個別では、無い機能があっても運用でカバーする方針だ」(平岡氏)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング