なぜ同じモノを発売したの？ 千葉ロッテの選手が噛んでいるガムに「2つの特徴」：あの会社のこの商品（4/5 ページ）

[大澤裕司，ITmedia]

スポーツをしているときに噛んでほしい

　選手専用ガムは味を含めて継続的に見直されている。同社の研究所スタッフや「噛むこと研究部」のメンバーが球団を足繁く訪れては試作品を渡し、選手からのヒアリングを元に改良を繰り返している。選手によっては要望が細かい人もいるほどで、リズムを一定に保ったり、練習や試合中のルーティーンとして活用したりすることに使う神経は相当なもの。他球団にも選手専用ガムは知られており、選手の中には他球団の選手から「欲しい」と言われた人がいるほどだ。

　球団が公式Twitterでその存在を明かしていることなどもあって、ファンの間でも選手専用ガムは知られている。「MARINES PRO MODEL GUM」を発売することにした背景には、ファンから選手専用ガムの販売を要望する声が多く見られたことにあった。

井口資仁監督も噛んでいる「MARINES PRO MODEL GUM」

　ただ、ファンからの要望はきっかけの1つに過ぎず、発売にはある想いがあった。その想いを今井氏はこのように明かす。

　「このガムは選手と同じものを欲しいというファンの声に応えることのほかに、噛むことを意識しながらスポーツに取り組んでもらいたい、というテーマをもって発売しました。選手は試合中や練習時に噛んでいるので、スポーツをしているときに噛んでほしいと思っています。リフレッシュしながら1人ひとりのリズムでスポーツが楽しめるよう、ロッテグループ公式オンラインモールではヨガをしている時など具体的な食シーンを訴求しています」

　市販化を決めたのは20年度のこと。関係があるかどうかは分からないが、19年シーズンの提供からマリーンズの成績が4位、2位、2位と上向いてきたことと絡め、球団に勢いがあり、上り調子にあるこのタイミングで発売することにした。