選手専用ガムに求められたのは、長時間噛んでも一定の硬さをキープし噛み応えのあるもの。試合でも練習でも、ガムを噛んでいると「リズムを一定に保てる」という声もある。
ガムの硬さは、原材料の1つであるガムベース(噛んだあとに残る部分)の配合などを調整することで変えることができる。長時間噛んでも一定の硬さをキープし、噛み応えのあるものにするには、硬くすればいいと思ってしまいがちだが、「硬すぎると弊害があります」と今井氏は指摘する。
弊害とは、硬いと咀嚼(そしゃく)しにくくなり、味と香りの出方が落ちること。ガムは噛むことで味や香りが口の中に広がるが、噛み続けても硬さの変化が少ないようにしながらも、味と香りが口の中に広がりやすくすることは難しいことであった。
開発にあたって、多くの選手が試作品の検証に関わった。試合中や練習中に噛んでもらい、感想など聞き取って改良を実施。硬さはソフト、ミドル、ハードの3つから選択できるようにしたが、噛みやすさは選手によって異なることから、各選手の噛む力を測定して得られた結果を開発に生かした。
「MARINES PRO MODEL GUM」として発売されているものは、このうちミドルに相当するもの。井口資仁監督と中村奨吾選手が決めた。
「一般的なガムの硬さは噛むとソフトとミドルの間ぐらいになるので、ミドルといっても市販のガムよりだいぶ硬いです」と今井氏。ハードに至っては、まさにトレーニング専用という固さだという。
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