ロシアのウクライナ侵攻、日本企業が備えるべき本当の怖さ世界を読み解くニュース・サロン(2/5 ページ)

» 2022年03月10日 08時04分 公開
[山田敏弘ITmedia]

日本企業に懸念される影響

 プーチン大統領が強硬になれば、ウクライナでの戦争はまだまだ続くことになるだろう。そんな今、欧米をはじめとする安全保障専門家らの間で新たな懸念が出ている。ロシアが、これまで以上の規模でサイバー攻撃を仕掛けてきそうだという。しかも日本も含む世界各地の民間企業が狙われるというのだ。

ウクライナ侵攻の裏で急増しているサイバー攻撃(Getty Images)※画像はイメージ

 日本政府もこの懸念は共有している。政府は、金融庁や総務省、厚生労働省、国土交通省、警察庁、内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)が同時発表で、「昨今の情勢を踏まえるとサイバー攻撃事案のリスクは高まっていると考えられます」とサイバー攻撃に対し警鐘を鳴らした。

 「政府機関や重要インフラ事業者をはじめとする各企業・団体等においては、組織幹部のリーダーシップの下、サイバー攻撃の脅威に対する認識を深めるとともに、以下に掲げる対策を講じることにより、対策の強化に努めていただきますようお願いいたします。また、中小企業、取引先等、サプライチェーン全体を俯瞰し、発生するリスクを自身でコントロールできるよう、適切なセキュリティ対策を実施するようお願いいたします」

 この発表で「ロシア」と名指しされていないが、「昨今の情勢」というのはまさにロシアによるウクライナ情勢のことだろう。

 海外でも、ロシアからの大規模なサイバー攻撃が世界を襲う可能性が指摘されている。ロシアの侵攻が始まってから48時間だけで、早々にロシア発のサイバー攻撃は侵攻前から800%以上も増加したとの調査も出ている。(参照リンク

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