お店がやって来た! なぜ移動販売で“高い商品”が売れたのか「実証実験」の結果(1/4 ページ)

» 2022年03月20日 08時00分 公開
[土肥義則ITmedia]

 「焼きトウモロコシ」「スーパーボールすくい」「たこ焼き」などの店がズラリと並んでいる。子どものころにワクワクして「夏祭り」を待っていた人もいたはず。そんな非日常のイベントが、“日常”になりつつ動きが広がっていることをご存じだろうか。

 サービス名は「MIKKE!(ミッケ)」。三井不動産とグループ会社のShareTomorrowがタッグを組んで、東京の湾岸エリアを中心に“動くお店”を展開しているのだ。具体的にどんなことをしているのかというと、飲食店の移動販売「キッチンカー」とよく似ている。オフィスの近くや公園などのスペースにクルマが停まっていて、そこで「お弁当」を買ったことがある人もいるだろうが、ミッケは違う。取り扱っている商品がとにかく幅広いのだ。

2021年12月、豊洲で「MIKKE! クリスマスマーケット」を開催した

 本格的にスタートしたのは、2021年9月から。専用のクルマを4台用意して、湾岸エリアのタワーマンションの近くなど4カ所で始めた。サンドイッチやシフォンケーキといった飲食系のほかに、生活雑貨、アパレル、リラクゼーション、食器、写真プリントなどもある。「えっ、マンションの空きスペースにマットレスやスーツなどを販売して、売れたの?」と思われたかもしれないが、想定以上の結果が出ていて、「この春には60区画、60店舗以上の稼働を予定している」(担当者)というのだ。

 商品を購入する際、大きくわけて2つのパターンがある。商業施設に足を運んで、目的のモノを購入する。ECサイトで気になるモノをポチっとする。お店のある場所まで移動したものの、人気店であれば行列に並ばなければいけない。「じゃあ、ECサイトで……」と思うかもしれないが、PCやスマホの画面で見てもリアルに触れることができないので、実際に商品が届いて「あれ? 予想していたモノと違うな」といった経験をもつ人も多いのでは。

 ミッケはそんな悩みを解決する“第3の売り場”として期待されているわけだが、そもそもなぜこのようなサービスを始めたのだろうか。ShareTomorrowで事業担当をしている後藤遼一さんに話を聞いた。

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