先日、日本経済を低迷させている構造的な問題を示唆するニュースが報じられた。
『残業できず生まれた「暗黙ルール」 200万人が「もっと働きたい」』(朝日新聞デジタル 3月19日)
お読みになっていない方のために説明すると、働く時間が希望より短くなったため収入が減少して、もっと働きたいと考えている「追加就労希望就業者」が200万人前後いるという総務省の調査があり、実際に副業禁止の会社員でも仕事終わりや休日にこっそりコンビニバイトをするケースが増えているというニュースだ。
そう聞くと、まず頭に浮かぶのは、政府が推進する働き方改革に端を発した残業禁止やコロナ禍によるシフトや出勤日の減少で多くの人々が不利益を被っているというストーリーではないか。実際、この記事を受けて、業務時間内に片付けられないほどの仕事量を押し付けておきながら、定時退社求めてくる、いわゆる「時短ハラスメント」の問題を指摘する声も少なくなかった。
しかし、それらの現象は経済低迷の「結果」であって、「原因」ではない。この「残業したいのにさせてもらえない200万人問題」からは、もっと別の構造的な問題を読み解くことができる。
それは、「日本の多くの会社は従業員を犠牲にしてなんとか生き延びている」という日本人にとって受け入れ難いシビアな現実である。
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