「イケアのサメ」に「ニトリのネコ」家具大手ぬいぐるみ なぜ人気?企業のビジョン表す(3/3 ページ)

» 2022年03月26日 08時00分 公開
[濱川太一ITmedia]
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イケアのサメよりニトリのネコ?

 一方、イケアのブローハイに負けない人気を見せているのが、家具大手ニトリのインテリア雑貨ブランド「デコホーム」で販売している「モチモチクッションキャット」(全長約70センチメートル、1290円)だ。ニトリの定番商品、モチモチクッションシリーズの1つで、同社Webサイトによるとモチモチクッションキャットは現在、グレーとブラックの2種類を販売している。

川崎市内のデコホーム店舗で販売されていた「ニトリのネコ」

 ブローハイがTwitterで話題を集めると、対抗するかのように「ニトリのネコ」について投稿するファンが現れる。「イケアのサメよりニトリのネコ」「”目つきの悪さ”に引かれて購入した」「我慢できずに買いました」――。

 単なる可愛さだけでなく、ひと癖あるところが消費者の心をくすぐっているようだ。

 イケアのサメに負けず劣らず、ニトリのネコも売り切れの常連だ。19年2月にデコホームWebサイトで発表した品切れを告知する画像には、両手を前で合わせて申し訳なさげなポーズを取るニトリのネコ2匹が写されている。イケアのサメ同様、こちらも擬人化されていて、くすりと笑いを誘う。

品切れをわびるニトリのネコ(デコホームWebサイトより)

 現在は空前のネコブーム。猫に関連する経済効果を表す「ネコノミクス」といった言葉も生まれるなど、ネコに癒しを求める人々が急増している。ニトリのネコの人気も、ネコブームが1つの要因なのかもしれない。

 イケアのサメにニトリのネコ。その人気は、どちらも単なるぬいぐるみと侮ることはできないほどのもの。それは企業の顔そのものであり、企業のビジョンや価値観さえ体現しているのだ。

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