今回のプロジェクトは、その反響の大きさから十分に成功といえるだろう。しかし、生産体制には課題があり、ここが次のチャレンジだという。
「21年11月に、国内ベンチャーキャピタル2社から約1億円を調達しました。その目的は、まず製品を完成させること。クラウドファンディングで発売した製品は、7月末までに発送予定で、それを達成できれば次の資金調達を狙えるかなと。その使い道は、生産体制の強化です。クラウドファンディング終了後は、年内に5000〜6000個を製造、23年は年間10万個の製造を目指しています」(渡邉氏)
さらに、24年にはグローバル進出を見込む。特に中国や欧州を狙っているという。そのためには、世界規模で不足している半導体の調達のほか、チーム体制の強化も欠かせない。コンディション管理が目的とはいえ、リングはファッション感覚で身に着けるものであり、デザイン面も重要になる。「ブランドデザインやマーケティングに強いチームを構築していきたい」と渡邉氏は加えた。
クラウドファンディング終了後は、自社、及び外部のECサイトでの一般発売を予定しており、まもなく自社のECサイトがオープンするとのこと。購入者の手元に届くのは、22年末頃になるようだが、クラウドファンディングで購入できなかった消費者からリクエストが多くあり、予約販売ができる体制を整えているそうだ。今後、女性向けのデザインや色展開に加え、最終形態として医療機器の認証も見据える。
「男性だけでなく女性にもジュエリー感覚で身に着けてもらえるよう、色や質感にこだわったデザインを考えています。また、時間はかかりますが、臨床実験を進めて医療機器の認証を取得するつもりです。現時点で、医療機器に使用できる精度の健康データは取得できていますが、認証を取得しなければ、特定の病気の疑いを伝えることができないので」(渡邉氏)
盛り上がりつつあるスマートリング市場だけに、グローバルで見ればライバルは少なくない。とはいえ、日本発のスマートリングへの国内の期待値は高く、まずは国内での浸透具合が気になるところだ。
写真提供:ソクサイ
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