通話がメインなら、もしかして大手キャリアよりMVNO? ガラケーユーザー狙うHISモバイル房野麻子の「モバイルチェック」(1/2 ページ)

» 2022年04月01日 17時45分 公開
[房野麻子ITmedia]

 つい最近まで、MVNOーーいわゆる格安SIM・格安スマホのサービスを利用するユーザーは、主にデータ通信料金を下げるために契約している人が大半だった。MVNOの音声通話サービスについては、ほとんど気にしていない、もしくは利用しない人すらいるのではないか。

 かつて、MVNOの通話料は大手キャリアの基本料金20円/30秒と同じで、かけ放題のオプション料金は高め。IP電話サービス、もしくは別会社の中継電話サービスを経由することで安価な通話を提供しているMVNOも存在するが、IP電話は通話品質が劣り、中継電話サービスを経由する場合は、プレフィックス番号(電話番号の前に入力する番号)を付与するために、専用アプリを使わなくてはいけなかった。

MNVOはかつてデータの安さがメインで、音声は高かった(写真提供:ゲッティイメージズ)

 こうしたアプリは便利なものだが、着信にそのまま折り返すことができない。うっかり折り返し電話をかけると標準の電話アプリからの発信となり、通話料が安くならない。専用アプリから発信するために、着信電話から番号をコピー&ペーストするなど、ユーザーに一手間を要求していた。また、中継電話サービスを経由すると、高音質通話の「VoLTE(HD+)」にはならないというデメリットもある。

HISモバイルが音声最安プラン

 しかし、こうした状態が変わりつつある。

 HISモバイルは、3月28日、月額290円からの新料金プランを5月中旬から提供すると発表した。新プランは、1カ月のデータ使用量が100Mバイト未満の場合、音声通話が付いて最安料金が月額290円(税込み・以下同)からという、MVNOの中でも最安クラスだ。また、音声通話料金が安いことも特徴となっている。

 3月31日に3Gサービスを終了したauに続き、今後、他の大手キャリアも3Gサービスを終了する。通話を中心に使ういわゆる“ガラケー”ユーザーの獲得を狙っている。

HISモバイルの新しい料金プラン

 HISモバイルの通話料は、業界最安値となる9円/30秒。かけ放題オプションも、5分かけ放題が月額500円、完全かけ放題が1480円で、大手キャリアやY!mobile、UQ mobileといったサブブランドより安い。さらに注目すべきは、プレフィックス番号の入力や専用の通話アプリが不要ということだ。通話料はいつでも9円/30秒で、VoLTE(HD+)にも対応している。

HISモバイルが自社サイトで掲載している通話料比較
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