倒産危機の新興家電シロカ、買い取りから2年で売上高71億円の新社長の手腕:家電メーカー進化論(7/9 ページ)
このほか扇風機も、シロカの人気商品の1つ。金井氏は前職で長く、扇風機の企画開発を担当していたため、シロカの扇風機もいち早くリニューアルを行った。製品化したのは音声操作に対応した扇風機だ。
「これまで20年、扇風機を企画してきましたので、シロカでも作りたいと思っていました。音声操作に対応することで、コロナ禍で気になるタッチ操作を避け、非接触で使える製品にしています。換気もできますし、テレワークの話し相手なるといったことも考えて作りました。
扇風機の音声操作については、もともと友人の子供を預かって寝かしつける時、くっついて寝るので暑いのですが、起こしたくなくて。音声でコントロールできたらいいなと思ったのがきっかけです」(金井氏)
音声操作ができる扇風機は、前職時代から温めていたもの。扇風機の製造も金井氏の人脈を生かし、前職の工場で行ったそうだ。
この扇風機の開発では、14種類以上の羽根を手作りで制作し、スモークを使って風の流れを見ながらベストな形状を模索したという。とはいえ、工場のスタッフも金井氏の元部下なので話はスムーズだった。
前職でのノウハウと人脈を生かして開発した、扇風機の試作ファン。ゼロからの開発も可能となり、技術力が上がった点も新生シロカの強みだ
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