3月に入って始まった円安が止まらない。4月20日には129円30銭まで下落し、1年前の108円30銭と比較すると19%も下落した形だ。特に3月からの下落ペースは著しく、50日ほどで15円(12%)以上も下落している。
この円安への動きはいつまで続くのだろうか? 日興アセットマネジメントの神山直樹チーフ・ストラテジストは、「コロナからの回復もあるので、円安もそのまま続くものではない」と話す。これが意味するところを見ていこう。
まず、なぜそもそも円安が進んでいるのか。大きな要因の1つとしていわれているのは、日米の金利差だ。短期的に見た場合、金利の高い通貨が買われ、金利の低い通貨が売られる。金利の低い通貨を借りて金利の高い通貨で運用する、いわゆるキャリートレードなどもその原因の一つだ。
米国は3月に政策金利の0.25%引き上げを決め、目標を0.2〜0.50%とした。さらに年内には2%超まで引き上げるという見方を示している。
一方で、国内日銀の短期金利誘導目標はマイナス0.1%と、これまで通りの金融緩和を継続している。今後の利上げの見通しもない。
この金利差拡大に市場が反応して、急速な円安が進んだわけだ。とすれば、今後の円安の行方については、米国の今後の利上げがどうなるか、また日本の金利がどうなっていくかを注視しなくてはならない。
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