このようにeスポーツ種目としても社会的に広がっている『シャドウバース』。実際の紙を使ったトレーディングカードゲーム(TCG)への展開も進めている。このTCG版の名称は『Shadowverse EVOLVE(シャドウバース エボルヴ)』で、4月28日にスターターデッキを発売した。
スターターデッキの種類は全6種類で、希望小売価格はそれぞれ1650円としている。また、スターターデッキのほかに追加カードを入れたブースターパックは第1弾を4月28日に発売。第2弾は6月17日に販売を開始する。
トレーディングカードを用いた大会も既に予定しており、『シャドウバース エボルヴ』の全国大会「Shadowverse EVOLVE Japan Championship」を年末に予定しているほか、この地区予選版である大会を7月から順次開催していく。
3月31日には、東京・上野にある「飛行船シアター」で、記者発表会を開いた。そこで『シャドウバース』がアプリゲームというデジタルから、トレーディングカードゲームというアナログへと展開した理由について、Cygamesの木村唯人専務はこう話す。
「『シャドウバース』という文化を広げていくことが一番の大きな目的ではあります。ただ、TCG版を出そうと思ったきっかけは、デジタルとアナログでは全く違う文化だということを、アプリゲーム版『シャドウバース』を開発して気付いたのがきっかけです」
同じカードゲームやボードゲームの類でも、デジタルとアナログではそれぞれ違った良さがある。例えばデジタルの良さは、手元にカードがなくてもどこでも遊べ、対戦相手を探すのにも苦労しないことがユーザーにとってのメリットだ。
一方で、アナログでは実際に対戦相手が目の前にいて、そこから交流が生まれたり、TCGを扱うショップへのコミュニティに参加ができたりする良さがある。これは同じルールのゲームでも、例えば麻雀ではデジタルのネット麻雀に対して、実際に卓を囲んで遊ぶアナログでは、違った面白さや難しさがある。アナログだと、相手の表情から読み取れる情報も生まれるし、駆け引きも起こる。
だが、デジタルとアナログで同じ作品同士で競合する恐れはないのだろうか。これについて木村専務はこう説明する。
「実は全く同じゲームにはしていないので、両者は共存できると判断しています。自分もカードゲームは好きでデジタルもアナログも両方やるのですが、デジタルではできない体験を提供して、皆さんに楽しんでもらいたいですね」
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