吉野家、ミスターチーズケーキ、牛宮城、食品表示で炎上が絶えない根本原因専門家のイロメガネ(5/7 ページ)

» 2022年04月29日 07時00分 公開
[及川修平ITmedia]

「消費者はどう理解するか」という視点の欠如

 ミスターチーズケーキの件も、消費者と事業者の認識に大きなズレが見られる。

 賞味期限は製造日から冷凍保存6カ月とWebページ上で説明していながら、顧客の元には製造から4カ月経過したケーキが届いている。当初ミスターチーズケーキ側は、賞味期限は冷凍保存で製造後6カ月という内容に偽りはなく、また製造から何日経ったものを送るかまでは表記していなかったため、問題ないと考えたようだ。

ミスターチーズケーキがWebページに掲載している謝罪文章(出典:ミスターチーズケーキ、賞味期限のご案内方法に関するお詫びと代替商品追加発送受付のお知らせ

 しかし「消費者はどう理解するか」という視点で見るとどうか。

 賞味期限は冷凍保存で製造後6カ月という表記を見た消費者は通常、賞味期限までほぼ6カ月の商品が届くと認識するだろう。筆者が見る限り、このケースは消費者が勘違いした、勝手に誤読したとはいえない内容だ。

 説明文に偽りがなかったとしても、情報の受け手である消費者に正確に伝わっていない時点で表示としては不十分であり、事業者側の意図とは関係なく不当表示になり得る。こうした視点が欠けているといえる。

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