ハタフルアカデミーの講座は、動画と対面のハイブリッド形式だ。
合計120時間の動画教材は、デジタルハリウッド大学と提携し、同大学の「Webデザイナー講座」を用意。ハタフルの現役クリエイターが講師となる対面授業では、実践的な指導を実施する。単に技術のレクチャーだけではなく、フリーランスとなったときに必要な見積書や契約書の書き方の指導や、生徒が作成したバナー広告を掲載し、効果を検証するといった内容も含まれる。
半年でデザイン技術やクライアントワークをしていくうえで必要な知識を身に付け、さらに半年間はチャットなどでサポート。一定の水準を満たしていると判断された卒業生へは、ハタフルが業務を発注したり、直接雇用したりすることもあるという。
鈴木さんはWebデザイナーの仕事について、以下のように話す。
「女性の仕事は、男性以上にライフイベントによる影響を受けやすいです。例えば、夫の転勤についていくため、それまでの仕事を辞めざるを得ない、出産と子育てのため、家から出られないといったことがあります。
そのため、地方では取れる資格はできるだけ取っておくように勧められます。資格があれば、できることの証明になるから。いわばそれが『手に職をつけた』というものさしになります。Webデザインは資格ではないですが、どんなライフイベントにも対応できる仕事のスキルです。地方だからと諦めない働き方や人生の選択肢を増やせるのではないでしょうか」
臼井さんも「“tenten”や“しゅふコミ”のようなオンラインでの女性コミュニティーが活発なのは、結婚または妊娠をきっかけに仕事を辞めてしまうと、都会では当たり前のようにできる復職が難しく、社会とのつながりが絶たれてしまった女性が多いからだと考えています。その結果、自己肯定感が下がってしまう人もいます。Webデザインであれば、ライフイベントに合わせた働き方がしやすいです」と、ハタフルアカデミーがWebデザイナー養成を科目として選んだ理由を説明した。
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