幕末建立の古民家レストラン「久右衛門邸」がオープン 利益を障がい者の給与に(1/2 ページ)

» 2022年05月06日 18時49分 公開

 一般社団法人AOH(横浜市)は5月14日、自然豊かな里山で和洋折衷料理を提供する古民家レストラン「久右衛門邸」を横浜市戸塚区名瀬町にオープンする。利益を障がい者の給与にすることによって、活躍の場の開拓を目指すという。

一般社団法人AOHは、障がい者の活躍の場の開拓を目指す古民家レストラン「久右衛門邸」をオープンする(AOH提供)

 同社は、障がい者が働く福祉のチョコレート専門工房「はたらく支援工房ショコラボ」を2012年11月に開所(障がい者が働く大繁盛の「チョコ工房」設立した元銀行マンの決意を参照)。10年目を迎えた今年、障がい者の活躍の場のさらなる開拓を目指し、古民家レストランをオープンするに至ったという。チョコレート事業と同様に、利益は障がい者の給与にする。

障がい者が働く福祉のチョコレート専門工房「はたらく支援工房ショコラボ」。3月にボーナスを従業員に手渡すAOHの伊藤紀幸代表理事(右)

 「久右衛門」は天保7年(1836年)に建立した古民家の地主の家で、当主が代々継承してきたという。今回、障がいの有無に拘わらず、600坪強の庭園でゆったりと過ごせるよう、3年の期間を掛けバリアフリー工事・耐震補強工事などを施し、広大な里山と昔話に出てくるような情景の中で、おもてなしや癒しを感じる空間を作った。

「久右衛門」は天保七年(1836年)に建立した古民家の地主の家
「バリアフリー工事・耐震補強工事等を施した

 5月から、古民家「久右衛門邸」は就労継続支援B型の福祉事業所として再生する。社会福祉施設として、障がい者がレストラン・納屋カフェ業務を中心に接遇作業・接客訓練を通し就労スキルを高め、人財育成や一般企業などへの就職を目指す。

社会福祉施設として、障がい者がレストラン業務を通じて人財育成や一般企業等への就職を目指す
フレンチを中心に和洋折衷料理を提供

 同敷地内にはレストラン・納屋カフェのほか、セレクトショップも企画している。日本全国の福祉事業所から選りすぐった商品を販売し、才能あふれる障がい者の商品を販売・情報発信する場とするという。また、利用者に食事を堪能してもらいながら、自然な形でSDGsの価値を広めていける場所に育て上げたいとしている。

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