車いすというと、「歩けない人が乗るもの」のイメージが強い。しかし、池田氏は、「WHILLのユーザーの約7割が、歩行が可能な方です。歩けるけれど、長距離は歩くのがしんどいという方が、自転車に乗るような感覚で使えるものです」と話した。
WHILLのユーザー層は高齢者のみではなく、幅広い。70代以上の利用者(35%)よりも、50・60代の利用者(53%)の方が多いのも特徴だ。
また同製品は、羽田空港で搭乗口までの長い移動を助ける手段としても実用化されている。スタイリッシュな見た目からか、車いすに乗るという心理的なハードルを感じずに利用している層が多いようだ。
現在、WHILLが注力しているのが、自動車ディーラーを介した販売だ。現在、全国700店舗以上のディーラーに製品を置いており、この1年間で約6倍に店舗数を伸ばした。
その背景について、池田氏は「車を購入したディーラーで免許の返納について相談する方が多いため」だと説明した。
相談者は、免許返納の本人である場合もあるが、周囲の家族であることも多い。池田氏は、WHILLのユーザーの3分の1は、WHILLに乗る本人ではなく、家族が推薦や検討をして購入に至っていると話す。
続けて、「免許を返納して車を手放したら、外出がおっくうになってしまった。そういった方は、64%もいらっしゃいます。そして、免許を返納したご両親を持つ子ども世代の方で、親を心配しているけれど『どうしたらいいのか分からない。分からないから何もできていない』という方がおよそ75%いらっしゃいます」と自社の調査データを紹介。電動車いすをはじめとする、近距離モビリティの認知拡大への課題を語った。
改正道路交通法の施行もあり、「これを機に、車を手放さねばならない方が多くなると予測しています」とし、そんな中で「家族にWHILLを贈る」ことを検討してほしいと締めくくった。
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