青木さんは、入社試験で面接官が語った言葉を今でも覚えているという。
「イケアを一言で表すとどういう会社ですか」と尋ねた青木さんに、面接官は「フリーダム・アンド・リスポンシビリティ」(自由と責任)と答えた。
その時は特段、胸に響いたわけではなかったが、入社してその言葉通りだと実感した。
「イケアではリーダーシップはマネジャーだけでなく、全員が取るもの。リスポンシビリティが伴っていれば、フリーダムが可能。責任が伴っていればポジションに関係なく提案が通る」(青木さん)
現在、イケア・ジャパンは国内で12店舗を展開する。同社によると、このうちの6店舗(Tokyo-Bay、原宿・渋谷・新宿、立川、長久手)の店長を女性が務めている。
イケアでは展開するすべての国、階級、役職で、50対50のジェンダーバランスの達成を目標に掲げる。イケア・ジャパンでは21年7月に、女性管理職の割合が51%に達した。
福利厚生面でも「ジェンダーの平等」を徹底する。イケア・ジャパンでは、パートナーについて「配偶者、もしくは配偶者ではないが12カ月以上に渡り同じ住所に住民登録している者」と定義し、法律婚、事実婚、同性婚を問わずパートナーとして同じ福利厚生を受けられるようにしている。
店長として日々、チームの先頭に立つ青木さんは、イケアが大切にするバリュー(価値観)の1つである「連帯感」の強さを、日々実感しているという。
「コワーカー(従業員)がお互いをサポートする文化が根付いていて、日本だけでなく出張先の海外の店舗でも感じられる」(青木さん)
今年で勤続17年を迎えた青木さん。今後のキャリアについては、“イケアのアイデンティティ”とも言える郊外型店舗の店長や、フィンランドの店舗の店長も機会があれば挑戦したいという。
「今の立場で仕事ができているのは、周りの人のサポートのおかげ。恩返しすることはできないけれど、部下や仲間に『恩送り』ができるといいなと思います」
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