日本企業のサステナビリティ(ESG)・レーティングは、欧州企業に比べて通常低い格付が付与される傾向にあります。フィデリティの分析や企業とのエンゲージメントに基づけば、欧州企業とのこのようなレーティングの差異は戦略などの根本的な違いによるものではなく、むしろ情報開示に対する考え方や言語といった文化的な理由によるものが要因だと考察しています。
日本企業が情報開示を改善すれば、ESGレーティングもそれに追いつき、それに応じて市場評価も修正されるはずです。そしてこうした修正は投資家に超過収益をもたらす機会となります。化学品メーカーの日油のケースは、エンゲージメントを通じて情報開示が改善され、投資家のリターンにつながった好事例です。
投資家が株価評価におけるサステナビリティの重要性を認識するようになり、企業のESGレーティングはますます注目されるようになっています。ESG評価機関は企業のサステナビリティ特性に関して独立した評価を提供しており、投資先のアロケーションを決定する際に有用です。しかし、通常投資家の評価フレームワークとはアプローチが異なるため、時として超過収益を獲得する機会が生まれます。
欧州企業と比べて日本企業の評価機関におけるESGレーティングが低くなりがちなのはその一例です。そこでフィデリティでは、広く利用されている評価機関のレーティングと当社のアナリストによるレーティングとを比較したところ、評価機関では低いレーティングでも、当社のアナリストは高く評価している例が、欧州企業に対して日本企業で特に目立つことを確認しました。この比較分析では、企業間の基礎的な前提の相違は補正しているため、この差異はそれ以外の要因によるものとなります。
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