小学生の時に誰もが背負っていたランドセル。教科書が詰まった「重たいもの」としての記憶も少なからずあるだろう。そのランドセルの重さの負担を軽減するツールが現在、話題を集めている。
その名前は「さんぽセル」。大阪市の悟空のきもちTHE LABOが栃木県の小学生と共同で開発した製品で、ランドセルに2本のタイヤ付きのスティックを取り付けることによって、キャリーバッグのようにランドセルを運べるようにしたものだ。これにより、体感で約90%の重さを軽減でき、特許も申請中だ。
「さんぽセル」は4月に発売し、これまでに3000台以上の注文を受注。3カ月待ち以上の人気となっている。ところが、小学生の子どもがランドセルをキャリーケース化したものを引きずっている姿がヤフーニュースをはじめ各ニュースサイトに掲載されると、1000件超の大人たちからの批判が寄せられた。
一方、この批判に対するさらなる反論も巻き起こっており、ニュースサイトだけでなく、テレビのワイドショーまで広く話題を集めている。
悟空のきもちTHE LABOも、1000件超の大人たちからの批判に対抗する形で、5月30日にクラウドファンディングを実施した。その支援額も、6月11日時点で「さんぽセル」3000台以上に相当する1000万円以上が寄せられているという。
子どもたちが重たいランドセルを引きずることに対して、今や批判より同情する声のほうが大きいようにもみえる。当事者に対する風評は実際どうか、悟空のきもちTHE LABOで、小学生と共に開発を担当した太田旭さん(21)はこう話す。
「『さんぽセル』に関する電話は私が受けているのですが、一番は単純に製品に関する問い合わせが多いですね。とてもありがたいことに各所でニュースとして取り上げてくださったのもあり、『ウチでも使ってみたい』と興味を持ってくださる親御さんや学校関係者の方が少なくないようです。それ以外は『頑張れよ』といった励ましの声をいただくことが大半ですね。もちろん批判の声も全くないわけではないのですが、電話で直接に受けた記憶は幸いにしてほとんどありません(笑)」
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