従来は、ヒット作が出るかによって業績が大きく左右されるのがゲーム業界で、だからこそ不振に備えて大きな内部留保を確保しておく必要がありました。ですがサブスクリプションによってある程度収益の見通しがたつようになってきているというのは大きな変化で、開発投資という意味でも大きな投資がしやすくなっているでしょう。
そして、MMOはユーザーが増えるとゲーム自体も盛り上がり楽しくなりますし、友達もやっているからやるというような、ネットワーク効果が働きやすいジャンルです。そのため、人気の作品はユーザーが増えればさらに増えやすくなるという好循環が働きますから、スクエニでもMMOによる好調は続くと考えられます。
さらにデジタル化が進む中で、パッケージの在庫を持つ必要もないということもあり、売り上げ3652億円に対して、在庫の額は46.8億円と少額です。在庫リスクが少ないですから、その分コンテンツへの投資がしやすくなります。
サブスクリプションによる収益の安定、デジタル化による在庫リスクの低減ということもあってか、製作中のコンテンツへの投資を表すコンテンツ制作残高は増加していて967.6億円と多額になっています。
当たり前ですが、大型タイトルが出れば売り上げは増えやすいので、コンテンツ制作勘定と売り上げは一定の相関があるでしょう。今後は大型タイトルでの売上増加が考えられます。
コンテンツへの投資がしやすい環境が整っていますから、好調が期待できそうです。
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