【独占取材】ソフトバンクビジョンファンドはなぜLegalForceに出資したのか(1/5 ページ)

» 2022年06月23日 11時00分 公開
[斎藤健二ITmedia]

 ソフトバンクビジョンファンド(SVF)2の国内4社目となる出資先は、AIを用いた契約審査サービス「LegalForce」、契約管理システム「LegalForceキャビネ」を提供するLegalForce(東京都江東区)だ。同社は、SVF2をリード投資家として、シリーズDラウンドで総額約137億円の資金調達を行った(詳細記事)。

 なぜSVF2はLegalForceに出資したのか。SVF2の国内出資を担当するSoftBank Investment Advisersマネージングパートナーの松井健太郎氏と、LegalForceの角田望社長に聞いた。

LegalForceの角田望社長(左)と、SoftBank Investment Advisersマネージングパートナーの松井健太郎氏(右)

ソフトバンクビジョンファンド、国内4社目

――LegalForceへの出資は、ソフトバンクビジョンファンド(SVF)2にとって国内企業4社目にあたります。以前、「ニューリーダーを創出する大きな市場である」「革新的な技術や商品・サービスを創出する企業である」「野心的で明確なビジョンを持った起業家、経営陣である」「データとAIを有効活用して成長を加速できる企業である」「持続的な成長の可能性と収益性の道筋をきちんと守っている」という点を出資先選定基準として挙げていたかと思います。LegalForceのどの点を評価し、どんな期待を持っているのか教えて下さい。

松井 日本企業における法務人材は構造的な問題から不足しているといわれています。一方で企業を取り巻く事業環境は複雑化し、質量ともに企業の法務部門への負担は増しています。そういった中で、企業ソリューションのDX化は解決の1つのカギになります。LegalForceはAIと機械学習を駆使して、契約書のレビューや、契約書の管理を含む、企業法務のコア業務を支援するサービスを提供し、その業界におけるリーダーの地位を占めています。

 あらゆる契約リスクを管理可能にしようという、ビジョンに深く共感して投資することにしました。

 リーダーという観点でいうと(社長の)角田望さん、共同創業者の小笠原匡隆さんをはじめとする経営陣が非常に高い熱量を持っています。角田さんは見かけは紳士然としているが、ファイターなんですよ。話せば話すほど、こんなファイターはいないというくらい。プロダクトや技術を使って、業界のペインポイントを自分が解決していくんだ、というリーダーシップを持っている。これはすごい経営者だと。

 オフィスを拝見すると、トップ層だけではなく次の下の層にもそれが伝わっている。顧客が2000社くらいいて業界トップにいながら、本当に元気があってアーリーのスタートアップのようなそんな会社。まだまだ伸びる。そう思っています。

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