一般的なスクール水着は、水の抵抗を減らして泳ぎやすくするために、肌にぴったりと貼りつくものが多い。一方、新型水着のパンツには織物素材を使っており、生地が肌にまとわりつきにくいようにしている。これは、股の部分の形やヒップラインが見えにくくするための工夫だ。
また、新型水着は表面にはっ水加工をしており、水にぬれても肌に貼りつきにくくなっている。これは、「泳ぎやすい」「動きやすい」「吸水しても重くなりにくい」という機能性を付与するためだ。
パンツの内側はインナーパンツ付きで、安心感を与える狙いがあり、男女どちらも履きやすいようになっている。水着の股マチには裏地がついている。これは、女子に対応している仕様だ。
パンツの左右には水中で膨らみにくいように、抜け穴が付いている。
このような水着を開発した背景には、「体型が目立たないようにしたい」という生徒のニーズや、制服のジェンダーレス化などがある。
「体型が目立たないようにしたい」「肌を見せたくない」というニーズが、女子だけでなく男子にもあると同社が強く認識したのは、7年前に実施した「スーパー中学生ものづくりプロジェクト」だという。
同プロジェクトは、スクール水着を中学生と共同で開発するものだった。ある男子中学生は、プロジェクトの初期に長袖とフルレングスのパンツを提案した。足首まで隠れそうなデザインだったという。
佐野氏はこのプロジェクトに直接関与していなかったが、「やせすぎている」「太っている」「腹筋が割れてない」など、思春期の男子にもいろいろなコンプレックスがあることが分かったという。声に出していなかっただけで、本人たちは我慢していたのだった。
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