au通信障害、解消へ 3日朝に復旧見通し ゆうパックなどに混乱連鎖徐々に回復

» 2022年07月03日 02時22分 公開
[ITmedia]

 KDDIは7月3日、携帯電話サービスの通信障害について、復旧のめどを発表した。データ通信を中心に徐々に回復していて、西日本は午前7時15分、東日本は午前9時半を目標に復旧活動に取り組んでいるという。3日午前3時時点で「全国で15%程度が回復見込み」としている。

photo KDDIの発表より

 障害は2日午前1時35分ごろから発生し、音声通話とデータ通信が使いづらい状況が続いている。影響はauブランドにとどまらず、トヨタ自動車のコネクテッドカー(つながるクルマ)、ヤマト運輸の宅配にも波及。貨物列車の遅延により、ゆうパックの配送にも支障が出るなど、混乱が連鎖的に広がった。

 KDDIによると、2日未明に発生した設備障害が原因という。音声通話をデータ通信で行うための「VoLTE交換機」で混雑が生じたため、流量を規制した。影響はauだけでなく、サブブランドのUQ mobile、オンライン専用プラン「povo」も利用しづらい状況が続く。一部エリアでauから回線を借りるローミングを行っている楽天モバイルにも影響が出た。

photo 写真はイメージ(提供:ゲッティイメージズ)

 通信にとどまらず、au回線を使用する他業種にも影響は拡大。トヨタでは、運転手が緊急時に外部に連絡したり、車外からドアや空調を遠隔操作したりできる「T-Connect」というサービスで障害が起きた。

 ヤマト運輸では、荷物の配送状況を問い合わせるシステムの情報が更新されない、ドライバーやコールセンターへの電話がつながらない──といったトラブルが生じた。

 JR貨物(日本貨物鉄道)では、回線を使用している貨物情報システムが影響を受け、駅での積み込みや荷下ろし、貨物列車の遅延に発展。これを受け日本郵便は、郵便物やゆうパックなどの配達に遅れが発生する恐れがあると発表した。

 このほか、大垣共立銀行(本店は岐阜県大垣市)でも、設置台数の約8割にあたる190台の店舗外ATMで障害が発生。営業開始時点から使えなくなった。気象庁が運営する「アメダス」は、通信障害により一部の観測地点でデータ収集ができていないという。

 通信大手では、NTTドコモでも昨年10月14日夕方から翌15日にかけて大規模な障害が発生。発生から約3時間で順次復旧したが、4G/5Gの回復には約12時間、3Gを含む全面復旧には約29時間を要した。音声通信は約460万人、データ通信は830万人以上に影響が生じ、総務省は11月、電気通信事業法に基づく「重大な事故」にあたるとしてドコモを行政指導した。

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