「それって人生ゲームみたいなやつ?」 まだまだ知られていない「アナログゲーム」の世界実態はよく分からない(5/5 ページ)

» 2022年07月06日 08時00分 公開
[長浜和也ITmedia]
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新規参入の動き

 ゲームマーケットは、新しいトレンドを生み出すプロモーションの場としても機能しています。市場に参入しようとしている開発者の中には、新作を訴求したり、プロモーションの機会として位置付けていたり、体験会を実施したり。さまざまな手を打つことで、知名度を上げようとしています。

 最近の成功事例として、「まじかる☆ベーカリー」シリーズを製作している「MAGI」が挙げられます。ゲームマーケット開催に合わせて、SNSで告知したり、冊子版カタログでページ広告掲載したり、訴求効果の高いエリアブースで出展したり、体験イベントを主催したり、積極的なプロモーションを展開することでアナログゲームブランドを短期間で確立しました。

まじかる☆ベーカリーシリーズを展開するMAGIのWebページ

 このような活動はSNSで拡散され、その動きを知ったメディアが報じることによって、多くの人は「おおっ、アナログゲームってなんか盛り上がっているね!」と感じているのです。結果、市場規模の実態はよく分からないけれど、アナログゲームの世界に参入する動きが高まっている、というのが“いまいまの話”です

 デジタルゲームと比べて、アナログゲームは小規模なリソース(予算や人員)で作品をつくることができます(デジタルゲーム=アニメーション、アナログゲーム=漫画に置き換えると分かりやすいかもしれません)。それだけに新規参入のハードルは低く、新しいゲームを生み出す余地がまだまだ残されているのです。

 これまで紹介してきたように、いま個人でアナログゲームの世界に参入してビジネスを拡大していくケースが増えています。もちろん、企業としても興味深い局面ともいえるでしょう(それこそ“かつての”デジタルゲームのように日本発世界規模で)。海外市場参入目指す日本のゲームデザイナーを支援する「ヤポンブランド」プロジェクトも立ち上がっています。世界に打って出たい野望を持っていれば、アイデアひとつで挑戦できる絶好のタイミングといえるかもしれません。

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