新型コロナウイルス感染症の拡大をきっかけに、リモートワークが広まりました。そのメリットを生かして、地方への移住など住む場所を自由に選ぶ人も出ており、新しいライフスタイルが浸透しつつあります。
一方で、リモートワークの副作用も明らかになってきました。
リモートワークは健康的な働き方の実現に有効ですが、会議過多やフルリモートなどは「やりすぎ注意」である理由を解説します。
ワーク・ライフバランスとDUMSCOが実施した調査では、1日4件のオンライン会議を境に、高ストレス者が増えることが分かりました。1日平均3件の会議を実施している人のうち高ストレス者は14%ですが、1日平均4件の場合は、高ストレス者が38%に達します。
私が籍をおく東京医科大学の調査では、リモートワークの存在自体はストレスを軽減するものの、フルリモートワークでは生産性が下がることが明らかになっています。
コロナ前後のリモートワーク頻度に関する調査を実施した結果、リモートワークの頻度が増え、特にフルリモートになると、 睡眠リズムが乱れ、夜型化しやすいということが分かりました。
原因となるのは、生活環境です。人間は朝や昼に充分光を浴びることで体内時計を整えていますが、リモートワークではつい家から出なくなってしまうことも多く、出勤のために朝日を浴びるということもなくなってしまいがちです。フルリモートだと、場合によっては1週間1度もお日さまを見ないということすら生じてしまいます。
それにより日中に日光を浴びず、さらに夜はつい遅い時間までPCを開いてしまうことで、体内時計が狂い、睡眠に影響を及ぼします。
また、体内時計を整えるには、毎日同じ時間にご飯を食べることが望ましいのですが、リモートワークでも、不規則になってしまうことがあります。食事も睡眠を整えるのに必要な要素の一つです。この、体内時計の乱れと睡眠の悪化が不調を生じ、生産性の低下につながることが分かりました。
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