今回の壬生倉庫店オープン時には、従来のコストコには見られない品ぞろえがされていました。
それは、「高額品」です。これまでもコストコ店内では、宝飾品、高級時計、PC、大型テレビ、冷蔵庫など、数十万円の商品を扱っていました。しかし今回の品ぞろえはそれをはるかに超えていました。
店内の食品売り場近くには、アールシーコア(東京都渋谷区)の販売する可動式ログ小屋「IMAGO(イマーゴ)」が陳列されていました。価格は514万円です。これをコストコで購入すれば数パーセント分のコストコポイントが付与されるので、実質的にお得に購入できるようにした販売方法です。他にも以下のような商品が陳列されていました。
このように、これまでのコストコではほぼ扱ってこなかったような商品ばかりです。
これらが肉や魚、トイレットペーパーなどと一緒に売られています。もちろんこれらは常時品ぞろえするものではなく、壬生倉庫店オープン時の限定商品として導入されたものです。
最近では20年のコストコ木更津倉庫店オープン時に、ARGOが展示販売されたことはありましたが、これだけさまざまなジャンルの高額商品を扱ったのは今回が初めてだと思います。オープン日にはこれらの商品は売れていませんでした。しかし、10万円以上する大型物置が1日に何台も売れるのを見て、コストコでも確かに高額商品が売れるのだということを実感させられました。
高額商品のいくつかは今後、コストコオンラインでも販売されるそうです。すでにサウナ小屋キットがオンラインに掲載され、販売が始まっています。
コストコの最新売上高は27兆円。世界第3位の小売業です(ちなみに1位はウォルマート、2位はアマゾン)。毎年2桁成長を続け、売り上げは10年度の2.7倍に成長しています。
コストコはこの巨大な売上高をバックにした強大な仕入力を誇っています。同時に、プライベートブランド(PB)の商品開発力も高いです。同社のPBである「カークランド・シグネチャー」の売り上げはすでに4兆円を超えています。
通常はこれだけのバイイングパワーと開発力を持てば、より利益を稼ぐ方向に流れるものですが、同社の粗利率は10〜12%と低く、営業利益率は2.6%程度しかありません。
しかし販管費を9%台に抑えるローコスト経営によって、良い物を安く提供するという経営を貫いているのです。結果的に日本ではあまり見たことがないような面白い商品が並ぶようになり、女性達がこぞって買い物に行きたくなる店として支持率を高めてきました。
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