HYDEが愛した画家・金子國義の『不思議の国のアリス』 ヴィレヴァンがグッズを受注販売金子アリスを身近に

» 2022年07月29日 07時06分 公開
[今野大一ITmedia]

 ヴィレッジヴァンガードコーポレーション(名古屋市)は、同社が運営するヴィレッジヴァンガードで、金子國義画伯が描いた『不思議の国のアリス(ALICE in WONDERLAND)』をモチーフとしたグッズを受注販売する。受注期間は7月31日まで。

『不思議の国のアリス(ALICE in WONDERLAND)』をモチーフとしたグッズを受注販売(以下、クレジットのない画像は金子國義 画伯×ヴィレヴァンコラボグッズ 始動!!より)

 金子画伯による翻訳・挿絵の同作品の装丁デザインを施した壁掛け時計(1万1000円)やアクリルジオラマスタンド(5700円)、「王女に扮するアリス」をデザインしたA3パズル(4280円)などの他、キーホルダーやコースターといった日常生活を彩るグッズを取り扱う。

 「アリス」シリーズの中でも、特別に人気を博する1994年に描かれた作品をデザインしたマルシェバッグ(4700円)なども販売する。

グッズ
「王女に扮するアリス」をデザインしたA3パズル(4280円)
1994年に描かれた作品をデザインしたマルシェバッグ(4700円)

 金子画伯は生前、人気ロックバンドL'Arc〜en〜Ciel (ラルクアンシエル)のボーカルhyde(ハイド)さんとプライベートで親交を深めていて、ソロ「HYDE」名義での3作目のアルバム『FAITH(フェイス)』のジャケット表紙の依頼を受けるなど、著名人にもファンが多い(HYDEが心酔した画家・金子國義 美術を守り続ける息子の苦悩と誇り参照)。

HYDE名義でのソロ3作目のアルバム『FAITH』(2006年)のジャケット表紙ジグレー(撮影:河嶌太郎)

 グッズの売り上げは、画伯の作品を受け継ぎ管理する「STUDIO KANEKO」を通じて、画伯の絵画の維持、保存や管理に役立てられるという。STUDIO KANEKOは金子画伯の息子、金子修さんが代表を務めている。マネジメント業の傍(かたわ)ら展覧会の運営、装丁や浴衣に代表される「金子デザイン」の一端を担い、画伯逝去後は、作品管理の他、展覧会、イベント、出版などを運営している。

 金子代表は今回の取り組みの狙いについて「今回は日常生活で使えるグッズをそろえました。金子アリスをより身近に楽しんでいただけるとうれしいです」と話す。

HYDE名義でのソロ3作目のアルバム『FAITH』(2006年)のジャケット表紙ジグレー(撮影:河嶌太郎)

 金子代表は、以前のインタビューの中で、作品の保存や販売の体制などビジネス的な課題を抱えつつも、「金子先生の作品をこの先も伝えていきたい」と話していた。

 今月に入ってからも、画伯の誕生日だった7月23日には、同じく『不思議の国のアリス』の挿絵を使用したNFT「金子國義『不思議の国のアリス』シリーズ」を、楽天グループが運営するNFTマーケットプレイスと、販売プラットフォーム「Rakuten NFT」で発売している。金子代表による画伯の作品を広める取り組みは続いていく。

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