連日の猛暑が続く中、各社がさまざまな暑さ対策グッズを販売している。それは行政も同様だ。「日本一暑い街」として知られる埼玉県熊谷市は、住宅用日よけの設置費用を一部補助する事業や、小学生にクールスカーフの配布などユニークな政策を行政サービスとして市民に提供している。
「住宅用外付け日よけ設置費補助金」は、住宅の窓に外付け日よけを設置した市民に対し、その費用の一部を補助する事業。2万円を上限とし、設置費用の5分の1を補助することで、室内での熱中症を防ぐ。市内での消費を促すため、市のオリジナル商品券で交付する。
同事業は若手職員を中心とした「暑さ対策プロジェクトチーム」のメンバーの発案で、2020年度から事業化。3年目を迎えた。市の環境政策課は「過去2年とも好評で、予算を使いきるほどの申請があった」と説明。今年度は50万円分の予算が割り当てられているが、現時点で20件ほどの申請があるという。
2万円を上限としているが「ホームセンターで日よけを購入し、設置するケースが多く、補助金額も数千円というケースが多い」(同課)としている。日よけへの補助金事業は酷暑の自治体ならではの政策といえるだろう。
市内の保育園などではリクシルと連携し、日除けを設置しているケースもある。
体力が少ない小学生や高齢者へのケアも欠かせない。市では市内の公立小学校に入学する全児童や、76歳以上の転入者にクールスカーフをそれぞれ配布している。水を含ませたクールスカーフを首元に巻き、気化熱による冷却機能で熱中症を防ぐ。
中学校では夏休み期間中も部活動を行うケースがある。熱中症を防ぐため、気温や湿度などから「暑さ指数」を計測する「WBGT計」を各部に配布。生徒に測定を習慣化させ、部活動の実施や休憩の指標にしている。また、市によると、当然のことながら、市内の公立小中学校の冷房設置率は100%だという。
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