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仕事のストレスによる“健康リスク”が高い業種ランキングドクタートラスト調べ(2/2 ページ)

» 2022年08月05日 11時40分 公開
[ITmedia]
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どれくらい仕事をコントロールできるか

 仕事をする際に個人がどれくらいコントロールできるか、自分で決めた順序や方法でしてよいかの自由度を問う「仕事のコントロール」では、「医療、福祉」(7.28)がワースト(自由度が低い)となった。

ストレス 仕事のコントロールランキング(ストレスチェック研究所調べ)

 同業種は総合健康リスクが最も高く、ストレスチェック研究所は「仕事の負担・コントロールに起因していると考えられる」と指摘する。人の命を扱う仕事では一刻を争う事態や緊急性の高い事態が最優先事項になるため、自分のペースで仕事のやり方を決めることはできない。そのため「仕事のコントロールがもっともしづらい」結果となった。

 上司・同僚とのコミュニケーションリスクが最も高いのはいずれも「運輸業、郵便業」(上司とのコミュニケーション:7.15、同僚とのコミュニケーション:7.63)で、20年度に続いてのワースト1となった。

ストレス 上司とのコミュニケーションランキング(ストレスチェック研究所調べ)
ストレス 同僚とのコミュニケーションランキング(ストレスチェック研究所調べ)

 同研究所は、「まずは、社内での簡単なイベントや気軽に発信できる情報共有ツール(グループチャットなど)を活用し、ちょっとした雑談を増やしていくことが職場の雰囲気作りを行う上で最も効果的なのではないか」と指摘する。

 4つの項目を20年度の結果と比較したところ、もっとも差が大きく表れたのは「仕事の負担」リスクで、悪化率が最も大きかったのは「金融業、保険業」(0.51ポイント悪化)だった。取引先企業への資金繰りの業務が増加したことや業績が悪化した事業者・企業に対する相談(事業戦略・経営企画・販路開拓など)を行う機会も増えていることから、仕事量に対するストレス負荷がかかっているのではないかと分析する。

ストレス 「仕事の負担」平均点比較(ストレスチェック研究所調べ)

 調査は21年4月1日〜22年3月31日に実施。21年度にストレスチェックの実施を受託した940の企業・団体一部を対象とした。有効受検者数は32万4642人。

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