「スーパー玉出」運営会社も参入! セレブの住む「芦屋」で高級スーパーの競争が激化している理由長浜淳之介のトレンドアンテナ(2/6 ページ)

» 2022年08月06日 07時15分 公開
[長浜淳之介ITmedia]

新しいマンションが次々と

 芦屋市は大阪と神戸の間、阪神間にある。東隣が西宮市、西隣が神戸市東灘区。細長い長方形の形をしていて、北側は六甲山系が市街地に迫り、市の西部を芦屋川が縦貫。大阪湾に注いでいる。

 市街はコンパクトにまとまっている。中心部は、芦屋川に沿って、北から阪急芦屋川駅、JR芦屋駅(やや東寄りだが)、阪神芦屋駅、芦屋市役所と並んでいる。阪急芦屋川駅から芦屋市役所まで、芦屋川沿いを歩いて20分程度だ。

 真に芦屋らしい超高級住宅地の六麓荘町は市の北東部、山手側にある。町の建築協定により、六麓荘には1区画400平米以上の一戸建住宅しか建てられない。集合住宅、商店、オフィスは存在しない。まさに別格の超セレブな世界。

芦屋らしい超高級住宅地の六麓荘町中心部

 六麓荘は坂を上っていくほど、高級感が増す傾向が強い。中には大英博物館か、ヨーロッパのお城かと思うような現実離れしたデザインの豪邸もあるほどだ。もともとは東洋一の別荘地を目指して、香港の高級住宅街、白人専用地域を参考に開発された。

 ところが、広域西宮圏のビジネス&カルチャーニュースを網羅するニュースサイトで、芦屋の事情にも詳しい西宮経済新聞の矢下幸司編集長は、「高齢化もあって、芦屋の山側では人口が減って空き家が多くなっている。一方で、阪神沿線の海側には新しくマンションが次々と建って、山側から移り住む人が増えている」と指摘している。

 芦屋市内の人口は近年横這いの傾向ながら、山手から浜手へと人が移っているそうだ。それと、高級スーパーの増加は関係しているという。

 新しく建った高級マンションは、奈良や和歌山に自宅がある富裕層が、別荘として使っているケースもある(東京の富裕層も別荘として利用している)。週末だけ、芦屋でゆったりと過ごすのだそうだ。住民登録をしている以上に、芦屋で実際に居住している人は多い。そのため、富裕層のニーズを満たす高級スーパーが増えている面がある。

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