以上、芦屋で高級スーパーが増えている背景には、芦屋でブランドを確立した、いかり、パル・ヤマト、グランドフードホールといった先例があった。それに続きたいと考える新参者が後を絶たない。ビッグビーンズ、YAMASHO、 F.F.マルシェがこれに該当する。
また、既にブランドを確立した明治屋、成城石井も、着実な売り上げが見込める堅い顧客が存在するから出店するのである。
「芦屋は通勤者(行く場所)ではなく居住者(帰る場所)が多い。50代以上の富裕層が多く、ご家族の方々もしっかりと本物、本質をご理解頂けている。将来的にも十分なマーケット・ポテンシャルがある」と、明治屋・広報では、芦屋の魅力を指摘する。特にワイン、パン、自然派食品、輸入食品を好む人なら、芦屋に来れば食べ切れないほどの国内外の良品がそろっている。もはや高級スーパーは、芦屋の地場産業になったといえる。
長浜淳之介(ながはま・じゅんのすけ)
兵庫県出身。同志社大学法学部卒業。業界紙記者、ビジネス雑誌編集者を経て、角川春樹事務所編集者より1997年にフリーとなる。ビジネス、IT、飲食、流通、歴史、街歩き、サブカルなど多彩な方面で、執筆、編集を行っている。著書に『なぜ駅弁がスーパーで売れるのか?』(交通新聞社新書)など。
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