巷(ちまた)では、この通達が、消費税のインボイス制度導入に次ぐ「改悪」と評されているものの、筆者としては致し方ない側面もあると考えられる。
今回はなぜこのような“サラリーマン副業”を狙い撃ちにしているのか、国税庁側の立場から少しだけ触れていきたい。
そもそも、巷では不評の「インボイス制度」も、本来の公平な税負担という観点では必要な制度として導入が決定された経緯がある。具体的には、本来であれば消費税を納税する義務のないはずの「免税事業者」が、顧客の請求に「消費税」を上乗せすることで本来の売り上げに加えて10%の追加利潤を発生させていたという「益税問題」が、導入の大きなきっかけとなっている(記事参照)。
事業主が消費税を納税する義務を有するか否かは、原則として前々年の課税売上高が1000万円を超えるか否かで判断されるため、自身が消費税を納める義務を有していないことが明らかであっても、商慣習的に免税事業者が消費税を請求することが常態化していたのである。
さまざまな意見はあるだろうが、税に対する抜け穴的なテクニックが広がりを見せてくると、徴税側としてはその穴を塞がなければならないと動くのも頷(うなづ)けるのではないか。
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