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紙巻の撤退はある? 「ケント」や「glo」の英BATが進める“加熱式移行”戦略最高マーケティング責任者を直撃(2/4 ページ)

» 2022年08月15日 06時30分 公開
[上間貴大ITmedia]

日本は“グローが生まれ育った場所”

――グループ全体として見た日本市場の現状を教えてください。

 当社にとって日本は非常に大事な市場であり、加熱式たばこの分野においても大きな市場です。グローは、2016年に仙台で販売を開始しました。まさに、“グローが生まれ育った場所”だと考えています。

 日本におけるグローのユーザー数は22年4月末時点で約320万人。BATJの製品売り上げの47%をグローが占めています。新デバイスの投入により、ユーザーのさらなる増加を狙っています。

glo キングズリー・ウィートン 英BAT最高マーケティング責任者。1996年ロスマンズ・インターナショナルへ出向 (99年にBATと合併)中東地域 グループ・ブランド・マネージャー、BATナイジェリア マーケティング・ ディレクター、BATロシア ゼネラルマネージャー、BAT本社 米国およびサハラ以南のアフリカ地域 エリアディレクターなどを務め、2019年より現職

――他の市場に比べ、日本は加熱式がすごく支持されていると競合他社も話しています。なぜ支持されていると考えていますか。

 当グループでは製品のマルチカテゴリー化を目指し、非燃焼性の製品としてベイパー、加熱式、オーラル(かぎたばこ)を展開しています。なぜ、多角化を目指しているかというと、世界中の消費者や市場、当局の規制が全く異なるからです。

 一つ例を挙げると、日本と米国では、カテゴリーのマーケット自体が全く異なります。日本ではニコチンを含むベイパーを販売すると、医薬品に近い形になってしまいます。一方で、米国では加熱式がなかなか手に入りにくい傾向が見られます。

 また、テイストや好みも消費者によって異なります。軽いテイストが好まれる地域では加熱式を、強いテイストが好まれる米国などではベイパーを中心に展開しています。

glo

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