攻める総務

「今のオフィスは丸ごと捨てる!」 財務省出身の社長が力づくで働き方を改革したワケ(5/5 ページ)

» 2022年08月16日 07時00分 公開
[房野麻子ITmedia]
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「おかしいことはおかしい」と伝える姿勢

 さまざまな改革を、社員は「受け入れてきてくれている」と横江氏は話す。最近では、社員たちからのアイデアで導入した仕組みもある。例えば、社員同士が業務中の行動や結果を評価し、メッセージや報酬を贈り合うことができるピアボーナスのサービスがその一つだ。社員たちのやりとりから、現場の人間関係や社員個々人の状態が見え、コロナ禍で減ったコミュニケーションをカバーすることにも役立っていると横江氏は言う。

 もちろん、これまでに社員からも改革に対する反発はあった。山あり谷ありというが、横江氏は「谷ばかり」と振り返る。さらに横江氏は自身を「じっとしていられない性格」と話す。変えられる、もっと良くできると思うことが見つかると黙っていることができないという。

日本電算企画の横江宏文代表取締役社長

 そんな横江氏が取材時に計画を話してくれたのが、再度の会社の引っ越しだ。テレワークが進んで出社する社員が減り、せっかく用意したオフィスも3分の2は使われていない状態。固定費化しているランニングコストを少しでも減らし、社員の処遇に変えていくという。この引っ越しは無事、8月上旬に完了した。

 こうした改革の中で、横江氏が大切にしているのは「おかしいことはおかしい」と忖度(そんたく)せずに意見を述べる姿勢だ。

 「私はおかしいことはストレートにおかしいと伝える性格です。『なぜこんなやり方をしてるの?』と言い続け、これまでにほぼ全員から反発を食らいましたよ。でも、『俺は会社を変えるために来た。このままでいいと思っているんだったら来ない。ラクしたいから来るのは、いわゆる天下り。俺は違う』と伝えています」と横江氏は笑う。

 働き方改革には、終わりがない。横江氏は、今後も「おかしいことはおかしい」と伝える姿勢をつらぬき、改革を進めていく。

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