ケンタッキーの隠れた人気商品「コールスローサラダ」 おいしさの裏に2つの“企業秘密”仕事に役立つ企業トリビア(1/2 ページ)

» 2022年08月20日 06時30分 公開
[樋口隆充ITmedia]

連載:仕事に役立つ企業トリビア

「知られざる本社所在地」「手掛けている意外なビジネス」「ロゴマークに込めた真意」「名物社長の経歴」――ビジネスを楽しくする企業トリビアを紹介していく。

 フライドチキンを主力商品とするファストフード店「ケンタッキーフライドチキン」。そんな同店に隠れた人気商品がある。サイドメニューとして提供している「コールスローサラダ」だ。チキンとの相性がよく、1970年の発売以来、ベストセラー商品となっている。

 Twitterの反応を見ると「ケンタッキーのチキンにはマスト」「ケンタッキーはコールスローサラダ屋さん」などと味を絶賛する声が多く出ている。中にはコールスローサラダだけを単品で購入したとの投稿もあった。ケンタッキーのコールスローサラダはなぜ絶賛されるのか。その秘密を運営元の日本ケンタッキー・フライド・チキン(日本KFC)に聞いた。

photo ケンタッキーの店舗(出典:同社公式Webサイト)

創業者の生まれ故郷の料理

 同社が販売するコールスローサラダは、みじん切りにしたキャベツ・ニンジンをタマネギ風味が加わったコールスロードレッシングに漬け込んだもの。もともとは創業者ハーランド・デーヴィッド・サンダース氏(1890〜1980)の生まれ故郷、米インディアナ州の家庭料理だった。

photo コールスローサラダ(出典:同社公式Webサイト)
photo 発売当初のコールスローサラダ

 なお、創業者名として一般的に定着している「カーネル・サンダース」の「カーネル」という名前は本名ではなく、食文化の発展に大きく貢献したとして、米ケンタッキー州から与えられた称号だという。

photo 創業者ハーランド・デーヴィッド・サンダース氏(出典:同社の過去のプレスリリース)

“キャベツカレンダー”で全国の生産状況を管理

 調理する上で、同社がこだわっている点が大きく2つある。1つ目が、使用するキャベツへのこだわりだ。「安全で新鮮な素材を使い、心を込めて手づくりしたおいしい食事を提供する」という理念のもと、年間を通じてキャベツカレンダーを作成。全国各地から季節に応じて、サラダに適したキャベツを使用するようにしている。

photo 栽培されたキャベツのイメージ(提供:ゲッティイメージズ)

 キャベツの鮮度を保つため、収穫後は温度管理を徹底。同社広報は「生産者や協力会社、皆さまの力があってこそ、コールスローサラダのおいしさにつながっている」と話す。キャベツの生産や管理方法だけでなく、切り方にも一工夫を加え、キャベツ特有の青臭さを除去。野菜嫌いな子どもでも食べやすいようにした。

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