日野自動車で相次いで明らかになっている検査不正を巡り、トヨタ自動車は8月24日、共同出資で運営する「Commercial Japan Partnership Technologies」(CJPT)から、日野自を除名すると発表した。トヨタと日野自は、いすゞ自動車なども含めた5社で2021年4月にCJPTを設立し、カーボンニュートラル(CN)社会の実現に向けた取り組みを進めていた。
トヨタは日野自といすゞ自とともにCJPTを共同出資の形で設立。21年7月にはスズキとダイハツ工業も参画し、5社による共同経営になっていた。5社はCJPTを通じて、福島県や福岡市で水素燃料の活用に向けた実証実験や水素エンジンの共同研究、商用軽バン電気自動車(BEV商用軽バン)の開発を進めていた他、7月末にはヤマト運輸とカートリッジ式バッテリーの規格化・実用化に向けた検討を始めると発表していた。
トヨタは日野自の検査不正について「CJPTが共有する想いや目指す道とは相いれないもの」と指摘。豊田章男社長からの提案で議論を進めたといい「このまま日野を含めて活動を進めることは、お客さまや社会の皆さまからの理解を得ることができない」として、除名を決めた。
日野自は10%のCJPT株を保有しているが、トヨタが引き継ぐ。同社は「お客さまにご迷惑をおかけすることがないよう、日野には必要最小限の役割を果たしていただこうと考えている」としている。
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