コロナでぼったくり飲食店が急増? 操作された口コミ評価に要注意、巧妙化する手口古田拓也「今更聞けないお金とビジネス」(1/5 ページ)

» 2022年08月26日 07時00分 公開
[古田拓也ITmedia]

 2年半にわたるコロナ禍の影響は、飲食業に大きな悪影響をもたらした。

 これまでは、時短協力金による支援も行われていたが、今年4月末に東京都で時短要請が打ち切られたことに伴い、協力金の受付も終了してしまった。

 しかし、足元のコロナ感染者数は1日あたり2万4780人と、時短要請が行われていた当時と比較しても増加している。そんな苦境に立たされた飲食業界において、都心部を中心に、ぼったくりを行う悪質な飲食店が増加しているようだ。

コロナ禍で増加した「ぼったくりバー」(イメージ、写真提供:ゲッティイメージズ)

 Google上の検索データを開示しているGoogleTrendsによれば、足元で「ぼったくり」や、「ぼったくりバー」といったキーワードの検索ボリュームが急増している。特に、「ぼったくりバー」についてはGoogle Trends上の指標データである04年からの過去18年間で最も多い検索ボリュームを示しており、状況はかなり深刻であるようだ。

“ぼったくりバー”の検索ボリュームが過去18年で最高を更新 オコスモ作成 “ぼったくりバー”の検索ボリュームが過去18年で最高を更新

 これまでは、ぼったくりを行う居酒屋やバーは「キャッチ」と呼ばれる路上客引きに案内される形で被害を受けることが一般的であった。

しかし、近年では風営法や各地方自治体の迷惑防止条例などによってキャッチや客引きが厳しく取り締まられている。また、「客引きについていくとぼったくられる」という経験則が周知されていることを踏まえると、22年に限って急に客引きに声かけされる人が増えたというわけではないだろう。

 そんな中、レビューサイトで偽のレビューを投稿するという手口で悪質店舗を優良店に見せかける手口が増えている。顧客は、レビューを信頼して実際に店舗へ足を運んで初めて、そこが悪質な店舗であると理解することになる。足を運ぶまで分からないという点では、客引きよりも悪質だ。

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