もともとCさんは、「自分のペースで仕事をすることを重視し過ぎる。もっと周りと連携して仕事を進めてほしい」と周囲から指摘されていました。同じチームの、集団行動を優先するD主任(52歳)とは、そもそも折り合いがあまりよくなかったようです。
Cさんの会社でも、コロナ禍でテレワークが推奨され、出社率を50%以下に抑えるようにグループ長から指示がありました。
Cさんの部署では特殊なソフトを使うため、テレワークでは仕事がしづらくなります。しかし、CさんはD主任との折り合いの悪さもあり、週4日ペースでテレワークを行っていました。
コロナの流行が落ち着いてきたことから、会社は一律の出社制限を解除しました。
グループ長はCさんに、テレワークを週に2回までにするように指示したところ、Cさんの遅刻や急な年休取得が頻発。
Cさんは「通勤電車のストレスで心身の負担が大きく、定時に出社できません。毎日D主任と顔を合わせなければならないのもつらいです」と主張します。
一方で、テレワークだと使えないソフトがあるため、Cさんの仕事が滞っていた現状も明らかになりました。
D主任からは「必要なときにはきちんと出社してもらわないと困る。人の好き嫌いで仕事をされてはたまらない」というクレームがグループ長に届いています。
営業部で働くEさん。部のエースとして、コロナ前は、朝は取引先に直接出向き、帰社後は深夜までデスクワークをするなど、毎日多忙を極めていました。帰宅は深夜になることもたびたびでした。
コロナ禍になり、Eさんの会社もテレワークを導入するようになりました。
営業部長は、テレワーク導入時も部員の仕事の多寡を調整せず、稼ぎ頭のEさんにはこれまで通りの仕事をするよう命じました。
しかしテレワークを始めると、Eさんの多忙ぶりが家族にも影響を与え始めます。
毎日、Eさんには何十件もの電話がかかるようになりました。早朝や深夜、家族が寝ている時間にも電話対応をし、時にはそのまま仕事を始めるEさん。
Eさんの妻子もストレスがたまり、毎日口論が絶えません。家族仲も悪化してしまいました。
Eさん自身もメンタルヘルスに不調を覚えています。
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