トヨタが2月に米国で出願した特許の中で、EV用の擬似MTシステムがあったことが話題になった。これは実際に変速機を搭載するのではなく、ドライバーがクラッチやシフトノブを操作することに合わせて、あたかもシフトアップやダウンした時のように出力トルクを変え、タコメーターやエンジンサウンドで雰囲気を出すモノらしい。
擬似MTなのでクラッチを操作しなくても運転は可能だろうし、そもそも通常のEVとして操作できるモードも用意されることになる。こんなドライビングシミュレーターのようなモノに特許が必要なのか、という議論はともかく、運転による楽しみを演出するのは、昔も今も変わっていないことだけは間違いない。
また、ホンダは新型シビックe:HEVで、従来の2モーター式ハイブリッドよりもスポーティな制御を取り入れている。リニアシフトコントロールと名付けたエンジン制御は、アクセルペダルを大きく踏み込んだ加速時に、エンジン回転を上昇させるだけでなく、まるで変速をしているようにエンジン回転を変化させる。
スポーツモードを選択すると、ASC(アクティブサウンドコントロール)により、エンジン音を強調したサウンドが車内のスピーカーから放たれる。これも新型エンジンの採用によってエンジン音が澄んだことから、それに合わせたスッキリとした音質で強調できたらしい。
この開発の経緯を開発チームに聞いてみた。
「欧州、特にアウトバーンなどの高車速の走行では、エンジンサウンドもドライバーにとっては重要なフィードバックで、従来のような一定回転数に近い振る舞いでは不安を感じる場合があることから、リニアシフトコントロールを開発・採用しました。車速域の低い日本においても、その良さは充分に感じていただけると考えています。ハイブリッド車として燃費性能は重要な指標ですが、ホンダのグローバルダイナミックコンセプトである「Enjoy the Drive」を高い次元で実現することも併せて重要であると考えています」(シビック開発チーム)
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