「できたてシリーズ」投入のくら寿司、真価は10月以降か

» 2022年09月07日 12時13分 公開
[金子正道ITmedia]

 今夏、くら寿司は「できたてシリーズ」を定番のメニューとして発売した。回転ずし業界の税抜き一皿100円横並び価格体系が、また崩れた。

photo (出所:くら寿司Webページ)税込220円で作り(にぎり)、巻き、炙(あぶ)り、揚げができたて

 回転ずし業界では、税抜き一皿100円横並び価格体系が今年、一つまたひとつ崩れている。業界最大手のスシロー(FOOD & LIFE COMPANIES)は、創業以来守ってきた最低価格税抜き100円を10月から税込120円に価格改定することを発表済み。元気寿司も10月からメニュー・価格改定を発表したばかりだ。また、はま寿司も平日90円セール終了を発表している。逆に、税抜き一皿100円メニューを充実させる発表をしたのが、かっぱ寿司だ。

 9月6日、くら寿司は2022年10月期第3四半期(11月-7月)の連結決算を発表した。同時に発表した通期予想を見直し、売上高は当初の1888億円予想から1824億円に3.4%下方修正し、純利益も当初の28.7億円から8.8億円に69.3%下方修正した。

photo (出所:筆者作成)7月、8月稼ぎ時での売り上げが思うように伸びず、コスト上昇が響いた

 10月以降、業界の税抜き一皿100円価格体系が崩れたのちに、利用者の消費行動がどう変わるのか、変わらないのか。回転ずし業界の各社動向は、これからが注目だ。

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