「三重脅迫」とはなにか? サイバー攻撃集団が日本に“宣戦布告”世界を読み解くニュース・サロン(5/5 ページ)

» 2022年09月15日 08時00分 公開
[山田敏弘ITmedia]
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身代金を払わないと「三重脅迫」脅威にさらされる可能性も

 とにかく「Lockbit」は、二重に恐喝をしてもカネを引っ張れないと分かれば、三重目の攻撃として、DDos攻撃を相手に行うことでさらにプレッシャーをかけると主張している。自らが攻撃を受けたことで、さらに強力な攻撃を仕掛けていくという。

 特に、日本企業や政府機関は身代金を支払わないがゆえに、この「三重脅迫」の脅威にさらされる可能性がある。

 ちなみに三重脅迫には、DDos攻撃ほか、盗んだデータにある連絡先に連絡したり、攻撃することで支払いのプレッシャーを強めたりするケースもあるらしい。

 サイバー攻撃は進化し、さらにタチが悪くなっているのが分かる。日本でも日常的に起きるようになったサイバー攻撃は、もはや他人事ではないことを認識して、三重脅迫のような手口があることも覚えておいたほうがいいだろう。

筆者プロフィール:

山田敏弘

 ジャーナリスト、研究者。講談社、ロイター通信社、ニューズウィーク日本版に勤務後、米マサチューセッツ工科大学(MIT)でフェローを経てフリーに。

 国際情勢や社会問題、サイバー安全保障を中心に国内外で取材・執筆を行い、訳書に『黒いワールドカップ』(講談社)など、著書に『ゼロデイ 米中露サイバー戦争が世界を破壊する』(文藝春秋)、『モンスター 暗躍する次のアルカイダ』(中央公論新社)、『ハリウッド検視ファイル トーマス野口の遺言』(新潮社)、『CIAスパイ養成官 キヨ・ヤマダの対日工作』(新潮社)、『サイバー戦争の今』(KKベストセラーズ)、『世界のスパイから喰いモノにされる日本 MI6、CIAの厳秘インテリジェンス』(講談社+α新書)。近著に『プーチンと習近平 独裁者のサイバー戦争』(文春新書)がある。

Twitter: @yamadajour、公式YouTube「SPYチャンネル


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